Word 2007以降の数式エディターでは、「行形式」と呼ばれる方法で数式を入力することができます。
「行形式による数式の入力」は次のような特徴をもっています。
数式を入力したい位置にカーソルを置いて、次のいずれかの操作により数式ツールを起動します
※ Windows版のWordでは、数式部分の文字が自動的に数学文字になりません。そのため、利用者がフォントのスタイルを斜体に変更する必要があります。(PowerPointやMac版のWordでは、自動的に数学文字になります。)
※ Enterキーを押して不都合が生じる場合は、→(右カーソルキー)でブロックを抜けてから、Enterキーを押してください。
「情報処理」の教科書の課題6の3つの式を「行形式」で入力してみます。
表 示 | Wordでの入力 |
---|---|
![]() |
y=-x^2+(2a-5)x-2a^2+5a+3 |
![]() |
((2a-5)/2■,(-4a^2+37)/4■)■ |
![]() |
-\sqrt■37/2<a<\sqrt■37/2■ |
■はスペースの入力を示します。 \ は、日本語キーボードでは、¥になります。
Microsoftの解説ページに掲載されている例を見る => 行形式の数式を入力する
以下の説明で、■はスペース、■は→(カーソルキー)でブロックを抜ける操作を示します。
\ は、日本語キーボードでは¥になります。
詳しくは、参考になるリンク の項に記載したページの情報を参考にしてください。
Wordでの入力 | 表 示 |
---|---|
\Pi■ |
Π |
\pi■ |
π |
\hbar■ |
ℏ |
\angle■ |
∠ |
\infty■ |
∞ |
\scriptB■ |
ℬ |
\frakturD■ |
𝔇 |
\doubleA■ |
𝔸 |
詳細は、Unicode Nearly Plain-Text Encoding of Mathematics [PDF]の付録を参照してください。
また、Wordの「ツール」グループ
から「数式オプション」ダイアログを表示し、「数式オートコレクト」ボタンをクリックして「数式オートコレクト」の設定を確認することができます。
入力モードをひらがなにして、通常のかな漢字変換の操作で入力します。確定した文字のフォントは自動的にCambria Mathになります。もし、そうならない場合は、フォントをCambria Mathに直す必要があります。
例 あるふぁ → α だがー → †
Unicode文字コード番号を16進で入力後、[Alt]キーを押しながら X キーを押して変換してください。
文書に既に入力されている文字の Unicode 文字コー番号ドを表示するには、その文字の直後にカーソルを置き、[Alt]キーを押しながら X キーを押します。再度、[Alt] + X キーを押すと、元の文字に戻ります。
新たに登録したASCII文字列による変換は、ExcelやPowerPointでも利用できます。
Wordでの入力 | 表 示 |
---|---|
ab/2■ |
![]() |
a■b/2■ |
![]() |
a+b/2■ |
![]() |
(a+b)/2■ |
![]() |
a/b/2■ |
![]() |
a\ldiv■b |
![]() |
(a/b)\/(c/d)■ |
![]() |
(a/b)\sdiv(c/d)■ |
![]() |
Wordでの入力 | 表 示 |
---|---|
x^2■ |
![]() |
z_ij■ |
![]() |
(_1^2)C_3^4■ |
![]() |
lim_(n->\infty)■ (1+1/n )^n ■=e |
![]() |
Wordでの入力 | 表 示 |
---|---|
a\hat■■ |
![]() |
a\pprime■■ |
![]() |
(AB)\vec■■ |
![]() |
数式ツールの「デザイン」タブの「アクセント」から選択する方法もあります。
Wordでの入力 | 表 示 |
---|---|
abc\above■123■ |
![]() |
\overbrace(a+\dots+a)^n■ |
![]() |
Wordでの入力 | 表 示 |
---|---|
(x+y)^2■ |
![]() |
\bra■a,b,c\ket■ |
![]() |
{\eqarray(x@y@z)}■ |
![]() |
{\eqarray(5x+3y=11@12x-4y=4)■\close■■ |
![]() |
Wordでの入力 | 表 示 |
---|---|
a\div■b |
![]() |
a\times■b |
![]() |
A\superseteq■B |
![]() |
a\in■B |
![]() |
Wordでの入力 | 表 示 |
---|---|
\sum_(i=1)^n■i^2■■ |
![]() |
\int■_-\infty^\infty■■e^(-x^2■)■dx■ |
![]() |
\int■1_a^b■x^2■dx+\int■2_c^d■y^2■dy■ |
![]() |
Wordでの入力 | 表 示 |
---|---|
sin^2■x |
![]() |
p\of■■(u,k)■=u■sin■\phi■■+k■cos■\theta■ |
![]() |
「ツール」グループ
から「数式オプション」ダイアログを表示し、「認識済みの関数」ボタンをクリックして関数を追加することができます。
Wordでの入力 | 表 示 |
---|---|
\sqrt■x■>\cbrt■x■ |
![]() |
\sqrt(x)>\cbrt(x)■ |
![]() |
\sqrt(n&x)>\sqrt(n+1&x)■ |
![]() |
Wordでの入力 | 表 示 |
---|---|
n->\infty■ |
![]() |
P\Leftrightarrow■Q |
![]() |
Wordでの入力 | 表 示 |
---|---|
(\matrix(1&2@3&4))■ |
![]() |
|\matrix(a&b@c&d)|■ |
![]() |
X^†=[\matrix(X_11&\dots&(X_n1@\vdots&&\vdots |
![]() |
\bra■u|v\ket=[\matrix(u_1&\dots&u_n)] |
![]() |
数式ツールの「デザイン」タブの「行列」から選択する方法もあります。
Wordでの入力 | 表 示 |
---|---|
\eqarray(5x+3y=11@12x-4y=4)■ |
![]() |
\eqarray(5&x&+&3&y&=&11@12&x&-&4&y&=&4)■ |
![]() |
{\eqarray(5x+3y=11@12x-4y=4)■\close■■ |
![]() |
Wordでの入力 | 表 示 |
---|---|
\int\phi_i■H\phi_j\dd\tau= |
![]() |
Wordでの入力 | 表 示 |
---|---|
"BMI"="weight"/"height"^2■■ |
![]() |
Wordでの入力 | 表 示 |
---|---|
a, b |
a, b |
a,■■ b |
![]() |
\thinsp |
3/18幅のスペース |
\thicksp |
5/18幅のスペース |
\emsp |
1文字幅のスペース |
よくある質問の項を参照してください。
本ページの情報の多くは、岩永信之氏の 僕が TeX を使うのを辞めた3つの理由 というページの Word の数式の基本 の記述にもとづいています。貴重な情報をご提供くださった岩永信之氏に深く感謝いたします。